貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント—ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵
なまえさんに教えていただいた、貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント—ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵を読みました。
かなり勉強になったので読み返して半分まで到達した分のまとめ。
- 非常に良い本。なぜデイトレが有害で長期保有が良いかを数字とともに検証している。
- 個別銘柄に言及した本や雑誌のコメントは信用しない
- 短期的に運用する方法はクォリティオブライフを低下させる(幸せが低下)。これは激しく同意。
- 常にマーケットウォッチが必要
- 変化にあわせて瞬時に判断が必要
- ハラハラどきどきストレスもたまる
- かかり切りになる
- 短期的に勝ち、かつそれを続けるのは激しく難しい
- 運用を考えるにはまず「運用のゴールを決める」
- いつの時点で、どのくらいのお金を、なんのために
- 年金を運用している機関における運用の仕方
- http://www.gpif.go.jp/ で運用方法が公開されている
- http://www.gpif.go.jp/images/shikumi.gif
- 最新の運用状況: http://www.gpif.go.jp/kanri/pdf/kanri03_h19_p04.pdf
- 引用:年金財政は、実質的な運用利回り(賃金上昇率を上回る運用利回り)が確保される限り基本的には影響を受けないこととされています。そして、年金積立金の運用においては、年金財政上の諸前提における実質的な運用利回りを確保するよう、長期的に維持すべき債券・株式等の資産構成割合(ポートフォリオ)を定め(注)、これに基づき管理を行うことが求められています。
- 引用:市場運用分の運用資産額は、平成15年度末の48兆円から平成19年度末には91兆円へとほぼ倍増しました
- 最近またマイナスらしいですけど
- PLAN:(目標利回りの決定、運用対象の決定・リスク想定・運用対象への資金割り振り)
- DO:(運用を金融機関に委託)
- SEE:(実際の運用結果を評価)
- 投資対象は 国内債券・国内株式・外国株式・短期資産(現金・預金)
- 金融商品を選ぶ基準
- 安全性(国債・銀行の預貯金は高く、株式や株式投資信託は低い)
- 流動性どの程度自由に現金化できるか(不動産は低い)
- 収益性
- 収益性
- 平均利回りとボラティリティ(標準偏差)
- 株式は平均利回り6.5%と高いが、年によって20%, -18%とばらつきがあるのでボラティリティは21%
- 国債は平均利回り3%と高いが、安定してプラスなのでボラティリティは5%
- この後計算が入るので後回し
ボラティリティについて調べる。
本書のボラティリティの記述がちゃんと理解できなかったので自分なりに調べてみました。
ボラティリティ - Wikipedia を見ると、おそらく本書で使われているのはヒストリカル・ボラティリティ。
終値の前日比の log の値の標準偏差がヒストリカル・ボラティリティということになる。
本書には書いてなかったが大前提として
幾何ブラウン運動モデル(ブラック-ショールズ方程式)で現実の市場を説明しようとする
というのがあります。(これが正しいのかどうかの判断基準を僕はまだ持ち合わせていません)
あと本書に出てくる
実はある投資の「期待利回り」と「ボラティリティ」が分かっている場合、 実際のパフォーマンスは 68.26% の確率で期待利回りプラスマイナスボラティリティに収まり、 95.44% の確率で期待利回りプラス・マイナス2*ボラティリティに収まることが統計的に証明されているのです。
という記述を見て最初はおお。と思ったのですが。
これは実際の過去と未来の利回りの変動が「正規分布」であることが前提ですよね。(合ってます?)
追記
fanannan さんよりコメントをいただきました。実際にサンプルをとって分布を調べるというのは面白そうです。
理論はブラックショールズで説明されることがほとんどですが、
実際の株価や為替などの変数は、幾何ブラウン運動などという行儀の良い動きをしていません。
実際には、裾野の広いもっと外れ値の出やすいひずんだ分布になっていますし、
極端なジャンプが頻繁に起こりやすいというのが特徴です。
なにかサンプルデータを取ってみてご覧になると面白いと思いますよ。
貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント—ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵
posted with amazlet at 08.07.08