プログラマは必読かも 「Joel on Software」

Joel on Software
Joel on Software
posted with amazlet on 06.04.15
Joel Spolsky 青木 靖
オーム社 (2005/12)



id:ryoko_komachi:20051218:1135176719でも絶賛されている。
Joel on Softwareを買って読み始めました。


この本が出ることを教えてくれたのは、たしかid:naoyaだったと思うのですが、聞いた時点で買うことを心に決めていました。
というのも「プログラマのためのユーザインタフェースデザイン」で、Joel氏の文章を読んでいて、その経験に裏打ちされた内容がとても勉強になったからです。
というか、影響受けまくりました。
書籍版のJoel on Softwareは、上記のサイトの文章をまとめたものが大部分だそうです。


Joel氏はMicrosoftで働いていたことがあり、EXCEL VBAの仕様設計などもしたすごい人なのですが、一方で自分の経験から得たことを、易しい文章で人に伝えることもできる才能を持っています。
そんなJoel氏のJoel on Softwareが出たら読むしかないです。


1-8章あたりで、印象に残ったのは

シンタックスプログラミング言語を選ぶことは滅多にしないとか。
Pascal文字列の話(Pascal文字列知りませんでしたw)とか。


ソフトウェアチームの診断テストである、ジョエルテストの解説もおもしろいです。
Monaプロジェクトやら、職場のチーム体制のどの部分が悪いか・改善すべきかというのが見えてきます。


例えば「ワンステップでビルドできる?」「バグデータベースはある?」とか。
また「新しいコードを書く前にバグを直している?」という項目では、時間がたてばたつほどバグを直すのが困難になるという話が自分の経験が明文化されているようですっきりしました。


さらに一番共感を抱いたのが「プログラマは静かな環境で作業している?」という項目とその根拠です。

  • 知識労働者にスペースと静かさとプライバシーを与えると生産性があがる
  • 知識労働者は「フロー」あるいは「ゾーン」として知られる、作業に完全に没頭して周りのことを忘れた状態にいるとき最もよく働く。
  • ゾーン状態に入るのは簡単ではなく、15分ほど要する
  • 何かあると簡単にゾーンから追い出されてしまう。騒音、電話、ランチ、同僚による割り込み
  • 1分間でも中断であってもすっかりゾーンから追い出される。再びゾーン状態に戻るのには30分以上かかる。
  • プログラマの隣でマーケティングの連中が大声で電話しているブルペンみたいな騒がしい環境だとしたら、絶えず邪魔されてゾーンに戻ることができず生産性はがた落ち。


これらって、自分だけかと思っていたら皆そうなんですね。
静かなコーディング環境って良いよなぁ。


ジョエルテストはまだまだ面白くて、
「手に入る最高のツールを使っている?」では、2台のモニタで開発すると効率が上がる場合があるとか、ビルドの時間が短くなるような性能の良いマシンのほうが良いとか。
プログラマは、給料で釣るより最高のツールで釣るほうが楽だよとかいってて、あーそうだよなぁっておもう。


あとは、「テスタはいる?」の項目で、考えを変えさせられたフレーズがありました。
「時給$30のテスタにできることを時給$100のプログラマにさせて金を無駄にさせることになる」
一理あると思った。


プログラマの人には是非とも読んでもらいたい一冊なのですが、迷っている人は「プログラマのためのユーザインタフェースデザイン」を読んでみてから決めるのでも良いかもしれません。


Joel on Softwareを読んで気に入った人はぜひハッカーと画家も読むことをおすすめします。

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち
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