1 on 1 で 何を話すのか? マネージャ/ソフトウェアエンジニアの立場から - サンフランシスコではたらくソフトウェアエンジニア
1 on 1 (ワンオンワン) とは1対1のミーティングの事。ここでは毎週もしくは隔週で行われるマネージャとその部下(direct reports)であるソフトウェアエンジニアの 1 on 1 に焦点をあてる。よく 1 on 1 で何を話したらよいか分からない。話題がない。と相談されるので僕の思うところをまとめてみる。
僕はマネージャもソフトウェアエンジニアのどちらも経験があるので両側からの視点を提供できると思う。
マネージャ編
マネージャは 1 on 1 を部下のために開催しなければならない。自分のための時間ではないことを肝に銘じよう。部下には話したいことを何でも話してもらう。事前に「1 on 1 は君のための時間だよ」と説明しておこう。
1 on 1 が始まったら「何か話したいこと、気になることある?」と問いかけよう。焦ってはいけない。じっくりと待ってみよう。
たとえマネージャとしてプロジェクトのステータスやトラブルについて聞きたくても、がまんする。相手が何か言おうとしている芽を摘まないように。部下が言いつくして時間が余ったら、最後に自分の質問をするくらいの気持ちが大事。時間の8割以上は相手に話をさせる。
部下は例えば「最近困っていること」について話し始めるかもしれない。できるだけ聞き役に徹して本質をつかむようにしよう。相手がジュニアなエンジニアならヒントを出して誘導してやるのもいいかもしれない。シニアなら基本的には話を聞く、もしくはマネージャしか持っていない情報をもとに解決を助けることが多い。
悪いマネージャの例
プロジェクトのデプロイについてマネージャに相談したらその場で解決した。しかしその流れからマネージャが過去のプロジェクトでいかに自分が困ったかという思い出話を始めてしまい 1 on 1 がほぼマネージャの過去の栄光の話や愚痴で終わってしまった。
マネージャのための細かいテクニックマネージャ
ソフトウェアエンジニア編
マネージャとの 1 on 1 は面倒に感じるかもしれない。話すことがないと感じるかもしれない。でも全力を尽くしてマネージャと話をしよう。良いマネージャなら 1 on 1 ではあなたの話に耳を傾けてくれるだろう。1 on 1 の目的はあなたとマネージャが sync することだ。マネージャと自分の持つ情報をお互いに交換しよう。
以下僕がマネージャと話していたことを優先度順で並べてみよう
マネージャと話すこと
- 困っていること、助けがいること、遅れの報告
- これらはマネージャが知るべきこと。解決すべきこと。よいマネージャならすぐに手を打ってくれる。とにかく正直に事情を話そう
- プロジェクトステータスの報告
- まずは短い要約を話そう。Green(うまくいっている)、Red(うまくいってない)を先に伝える。そうすればマネージャは話を聞く姿勢を整えられる
- 情報収集
- 最近チーム内で起きていることで僕が知るべきことはありますか?
- 最近会社で起きていること。組織変更。大きな流れなど。
- フィードバック
- 何か僕が改善できることはありますか?何でもよいので教えて下さい。と聞こう。
- マネージャ視点で自分が改善できることを聞いて、常にマネージャの Expectation(あなたに期待していること) を知ろう
- 公式フィードバックの時期になって慌てないように。継続的に改善し続ければ、突然改善項目をたくさん言い渡されるリスクも減る
- Expectation を知ればクビになる基準も分かるかも
- 助ける
- これは余力 (bandwidth) があるときのみ。マネージャに何か困っていることはない?チームに貢献できることがあればやるよ。とたずねてみよう。
ソフトウェアエンジニアのための細かいテクニック
- 1 on 1 の前に Google Docs などで Agenda を共有しよう。そうすればマネージャは事前に話されることの心構えができる
- 時間を持ってくれたことに感謝して伝えよう。マネージャはたくさんの 1 on 1 やミーティングのなか時間を割いてくれている
1 on 1 に全般に関してよくある質問
- マネージャと話すことがない。
- 事前に Agenda を作って考えよう。上記の「マネージャと話すこと」を参考にして欲しい。
- マネージャと仲良くなることもミッションの 1 つだと思うべし
- 頻度はどれくらいにすべき?
- 最低でも隔週 。1ヶ月に1度だと少なすぎる
- 話すことがないので早く切り上げても良い?
- 良いけど。できるだけ努力しよう。コミュニケーションをとった時間に比例して親しくなるのだから
- 毎回話すことがないので 1 on 1 の頻度を少なくしたい
- NO。できればやらないほうが良い。親しさ、情報の sync 度が下がって長期的にダメージにつながる可能性がある
- 経営陣 or 上司が 1 on 1 の価値を分かってくれない
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