エンジニアからみた良いプロダクトマネージャとは? - サンフランシスコではたらくソフトウェアエンジニア
エンジニアからみた良いプロダクトマネージャ(以下PM)とは。rebuildfm #98で id:naoya さん(@naoya_ito)から PM についての話があったので便乗して書いてみる。※プロダクト(製品)マネージャはプロジェクトマネージャとは全然違う職種なので注意。
結論から先に。エンジニアから見た良い PM とは「つねにユーザーのことを考えた上でプロダクトに信念を持っている人」だと思う。それは当たり前じゃないか?と思った人は正しい。でも常にそれをできる PM は多くはない。幸いにも僕は多くの優秀な PM と仕事をさせてもらったのでそこから学んだことをまとめてみよう。
PM の役割
まずは PM の役割から見ていこう。スタートアップの CEO の役割からエンジニア、デザイナーをマイナスした感じと言ったら伝わるだろうか。
もう少し具体的に PM がやっていることを挙げてみよう。
- 自分の担当分野でユーザーに届けたい価値、解決したい問題を考える
- 製品、サービスに関する仮説を作り、検証、改善まで面倒を見る
- 必要があればリサーチャーの助けを借りてユーザーリサーチを行う
- A/B テストのプランニングや分析
- 上記の項目をまとめた product brief というドキュメントを書く
- 最終的な製品、サービスに責任を持つ
- 各種社内調整を行う
- 関係チームとのミーティング
- 社内で幹部、取締役などの承認を得る
- エンジニアやデザイナーと相談してアイデアを実際のサービス、製品に落としこむ
注意してもらいたいのは、上に挙げたものは必ずしも PM がやらなければいけないことではないということ。境界はとても曖昧。エンジニアやデザイナーがやっても構わない。実際に僕もいくつかやったことがある。
ジュニア/シニア PM
経験の浅いジュニアな PM とシニアな PM に期待されていることを比較するのも良いかもしれない。
ジュニアな PM の役割の一例
- 社内製品のうち比較的小さな一部分を担当する 例) ログイン画面
- シニアな PM が面倒を見てくれる
- 担当部分に絞って改善や新しい機能を考える
シニアな PM の役割
- 大雑把なゴールだけ上司と共有してあとは独立して動く
- もうすこし大きな部分を担当する 例) プッシュ通知とその Landing views
- 会社のゴールを意識した上で戦略を考える
もっとシニアな PM の役割
- シニア PM をたばねる。
- よりハイレベルの戦略的なプランニングや判断をする
結論
さて結論部分にもどろう。エンジニアにとってうれしいことは何だろうか?僕にとっては自分が作った製品がユーザーに使ってもらえて喜んでもらえることだ。逆に誰も使わない、喜ばないものは作りたくないし関わりたくない。そういう意味で「つねにユーザーのことを考えた上でプロダクトに信念を持っている人」という部分を挙げた。なぜこれが難しいのだろうか?思いつく限りリストアップしてみた。
- 短期的な成果を出さないといけない(もしくはそう思い込んでいる)ので、安易な方法をとってしまう
- ターゲットユーザ、ペルソナを意識していない
- 派手なこと目新しいことにどうしても目移りしてしまう
- そもそもそういう経験がない
- A/B テストやユーザーリサーチなどに過度に頼ってしまう
- 競合サービスが気になってしまう
- 同僚のアイデアに NO と言えない
このように実は良い PM であることはとても難しい。だからこそ優れた PM と一緒に仕事をするとチームとして飛躍的により良いものがつくれるようになるのだ。
良いPM 架空エピソード
えらい人「あのさ。思ったんだけど。このトップページにテトリスを置くのはどうかな?エンゲージメントがすごく上がると思うんだけど」
PM「ダメです。ユーザーはそのページにxxをしに来ているわけですよね。テトリスをおけば短期的にはエンゲージメントが上がるかもしれませんが、ユーザーの問題を解決してませんよね?そもそもこのサービスが生まれた背景は...」