小学生のときに恐ろしかったこと
自転車で信号待ちをしているときに、小学生の自分が感じていたことをふっと思い出した。
あの頃、寝る前に考え始めると眠れなくなるほど恐ろしかったのが、老いてボケてしまうこと。
それが恐ろしくなったのはあるテレビ番組でコントを見てからだった。
コントは下のような内容だったと記憶している。
舅「xxx子さん、ごはんはまだかねぇ?」
嫁「あらおじいちゃんさっき食べたじゃないですか。しっかりしてくださいよ。」
舅「あれそうじゃったかのう。」
舅「ところで xxx子さん、ごはんはまだかねぇ?」
以下はじめに戻りループ。
コント自体は明るめのもので悲観的な要素はあまりなく、おもしろおかしいものだった。
だけど小学生だった自分は、押入れにもぐりこんで「いつか自分も歳をとってボケてしまうのだろうか。」と深刻に悩みまくった。
ボケるのが恐かったのではない。
今日という1日から、連続した近い未来に自分は自分でなくなってしまい、しかもその日は必ず訪れるのが恐かったのだ。
自分は、今の今までそのことを忘れていてふと思い出したわけなのだど当時と比べて全然恐ろしく感じない。
年月を経て何かが劣化してあまり感じなくなったのだろうか。
それとも実はもう取り返しがつかないほど自分ではなくなっているのかもしれない。