立場の話

作家の森博嗣先生の日記を愛読しているのですが、印象的な文章を見つけたので一部引用します。

山の中の一軒家で、自分一人で生活することができるだろうか。できる人とできない人がいる。たとえば、食事が作れないとか、洗濯や掃除ができない、などの不可能事があるかどうか、という話ではない。そんなものは小事であって、その場になれば、誰でもすぐにできるようになる。ただし、毎日レストランで食事をする生活しかできない、したくない、という人は少し困るかもしれない。  僕自身はできると思う。人と会うことがなくても、特になんともない。友人に会いたいと思うようなことは若いときからなかった。おそらく、スバル氏もそうだろう。犬くらいいた方が良いかもしれないけれど、基本的に一人でいることが好きだ。  人間関係ができるだけ少ない方が良い。大勢でわいわいがやがやとすることに価値を見出せない。そういう時間がもったいないとさえ感じる。世の中にはそういう人がどれくらいいるのか。かなりいるだろうと思うが、しかし、我慢をして人とつき合っているにちがいない。特に、若いときには、つき合わないと立場が守れないことが多いのだ。早く自分の立場を築き、そののち、周囲の人間関係を整理すると良い。最初から関係を切ってしまうと、立場自体が不安定になって、結果として逆に一人で生きられなくなるように感じる。変な話だが、だいたいその傾向がある。


良いことを書くなぁ。