運動が苦手な君へ

ぼくは運動が苦手です。走るのがとてもおそいです。リレーをやるとぼくのいるチームはかならず負けます。サッカーをやるとキーパーをやらされるか、一度もボールをさわらないまま体育の時間が終わってしまいます。野球をやるとポジションはかならず外野です。高いフライがとんでくると後ろにそらしてしまいます。ヒットを打ったこと一度もないです。バドミントンやたっきゅうをやっても、サーブが上手にできないので相手がイライラしてしまいます。バレーボールをやるとあそこがあなだと言われ、ねらいうちされて同じチームのみんなにめいわくをかけてしまいます。みんなでダンスをおどる場合も1人だけずれてしまいます。ぼくのせいでみんなが何度も練習しないといけません。先生のやるとおりやってみろといわれても上手にできません。何がわるいのかもわからないです。てつぼうをやってもクラスで1人だけ、さかあがりができません。ぼくはいっしょうけんめいやるのだけどうまくできません。

運動のできる子はみんなの人気者です。はんたいにぼくみたいに運動ができない子はいつもおこられたり、おなじチームになりたくないとなかまはずれにされたりします。先生もぼくができないことにあきれてうんざりした顔をします。運動したくない、きらいだって思ってしまいます。
でも苦手だからといって運動をきらいにならないでください。きらいにならない方法があります。

1つ目の方法は「1つだけ好きな運動を作ること」です。ぼくのばあいならサッカーです。サッカーだけは本当に好きになって人よりもたくさん練習しました。運動がとくいな子ならすぐにできてしまうことを、ゆっくり何度も何度も練習しました。ボールをまっすぐけること。相手にぬかれないようにすること。リフティング。ドリブル。日がくれるまで何度も何度も練習します。いっぱい練習しても、運動がとくいな子よりうまくならないかもしれません。でもそれはだいじょうぶです。一番上手になるひつようなんてありません。サッカーを楽しめるていどにうまくなればいいのです。いままでは人よりも苦手だったり、下手だったりしたからぜんぜん楽しめなかっただけです。人よりもたくさん練習したおかげで少しだけ上手になって、いままでよりたのしめるようになります。自分が下手すぎて他の子をイライラさせることもありません。ひとつ上手に出来るだけで他の子たちの見る目もかわります。だまされたとおもってためしてみてください。

もう1つの方法は、ひとりでできる運動をすきになることです。たとえば水泳。だれかより速く上手に泳ぐひつようはないし、しっぱいをしても他の人にはめいわくがかかりません。運動をして体を動かすことは本当に気持ちいいです。そうやってひとりでできる運動をやるだけでも、体がきたえられて他の運動もすこしずつ上手にできるようになります。

正直に書きます。小学校の間はどうしても「運動やスポーツができる子」が人気者になってしまいます。ぎゃくにできない子はつらい場面がたくさんあると思います。上に書いた方法ですこしでも運動を楽しめるようにしましょう。でも安心してください。中学生・高校生・おとなになると、どんどんじょうきょうがかわります。運動ができる子だけではなくて、勉強ができる子、本をたくさんよむ子、音楽がとくいな子、おしゃれな子、それぞれのとくいなことを持った人たちが人気ものになります。運動ができなくてもぜんぜんつらくないです。「ぼく運動できないんだよ。あはは」ってわらって言えるようになります。だれもぼくが運動できないことなんで気にしません。そんなことよりも、おもいやりがあってやさしいか、すきな事を楽しそうにやっているかのほうが大事になります。本当です。だからどうか運動をきらいにならないでください。そして今すきなことを楽しんでつづけてください。

写真*1

*1:by mbcushing http://www.flickr.com/photos/mbcushing/5216201241/