Lean UX を読んだ
リーン・スタートアップを読んでから、リーン・スタートアップブームが来て本書のことも知っていたが読む機会がなかった。一時帰国時にようやく買えたのでじっくり読んでみた。
多分対象読者は、デザイナーとのコラボレーションをウォーターフォールっぽい形やっていたり、デザインをデザイナーに(社内であっても)発注するプロセスの人たちだと思う。そういう組織向けに、顧客から短いサイクルでフィードバックを得られるようにリーンっぽいやりかたを提唱している。
本書は Jolt Awards: The Best Books | Dr Dobb's を受賞しているので期待値が高かったせいか、リーン・スタートアップほどのインパクトはなかった。
現職では似たようなチームの構成(PM/デザイナー/エンジニア) で仕事をすることが多くその経験と照らしあわせて読み進めた。
良かった点
- ユーザーリサーチの解釈方法や気をつけるべき点などが分かった
- アジャイルとの統合について触れられている点
疑問が残る点
- リーン・スタートアップと同様にモバイルに一切触れていない。モバイルのリリースサイクルや、モバイル特有の問題点にある程度解決策がないと色々と難しいと思う。ウェブとはユーザーフィードバックループがぜんぜん違う。
- チーム全員が UX/UI デザインに最初から参加すること。みなが同じ課題や解決方法を共有するのは良いことなのは同意。ただしデザインに関して、みんなが同意するデザインは大体凡庸なものが多い。誰もが UX を考えるのは得意ではないし好きでもない。
- デザイナーがすべての Lean UX プロセスをリードするという点。これは職種によらず得意な人がやればいいと思う。経験上、この手のプロセスをリードできるデザイナーはかなり少ないと思う。