島研ノート 心の鍛え方

島研ノート 心の鍛え方


将棋の本。正確には棋士の本。羽生さんを含めた、何人もの棋士たちのエピソードを集めたもの。各棋士の将棋に対する姿勢、移り変わりつつある時代など。同じく棋士である筆者の目でみたものを通して、トップ棋士がいかに心を鍛えているかを紹介した本。


僕は「限界を超えろ」「根性で売上を2倍にしろ!」などの精神論があまり好きではない。心が「根性」とやらで簡単にコントロール出来れば苦労はない。それよりも何か良いシステムを作り上げて、心が弱っている時でも上手く動く仕組みがあったほうが良いと思っている。とはいうものの、何事にも動じない「強い心」を手に入れるための方法が万が一あるならそれを知りたい。と思ってこの本を手にとった。


本書は、いわゆる自己啓発系の書籍に見られるような「方法ずばりそのもの」は書かれていない。その代わりにプロの目を通した先輩・同期・後輩棋士たちの生き様が書かれている。そこから方法の糸口を見つけるのは読者の仕事のようだ。そしてそれは多分「心の鍛え方」を伝えるには良いやり方であると思う。