梟の城

雨続きで電車通勤が続く。司馬遼太郎梟の城を読んだ。司馬遼太郎の作品は子供の頃に読んだ「項羽と劉邦」以来。
後書きや Wikipedia で知ったのだが、この作品は筆者が新聞記者だった頃に書かれたものとのこと。
30代後半に書かれた文章なのだが、魅力的な人物の描写が抜群にうまい。この作品で今まであまり脚光を浴びていなかった忍者がブームになったらしいのだが、それもうなずける。小さな1冊の文庫本を読んだだけでその才能の大きさが分かる。


今読んでいる関ヶ原と、三成や左近などの登場人物が重なるのだが、彼らが梟の城では淡々と関ヶ原では魅力的に描かれていて焦点の違いがこんなにも劇的な効果があるのだなと考えさせられた。読んで損はない一冊。

梟の城 (新潮文庫)